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2026.02.03
第45回民間保育園経営研究セミナー 開催

2026年1月12~14日、神戸ベイシェラトンホテルを会場に、民間保育園経営研究セミナーを開催しました。参加者数は446名で、会場に最大時で約320名が集まりました。

◆保育現場で今大事にしたいこと~シンポ

1日目は、基調報告、情勢報告に続き、シンポジウムを行いました。「子どもたちのくらしと子どもたちにかかわる大人の「今」を見つめて―連帯の中で子ども時代を大事にする地域づくりと制度の構築をもとめて」をテーマに、現場からの報告と、中西新太郎さんにコメントをお願いしました。進行は、役員の池添さん(京都)が務めました。

長岡さん(山形)は、子どもにとっても大人にとっても安心できる関係をつくることが大事であることを、実践をまじえて報告しました。やり方は人の数ほどあり方法論は必ず平行線になる、対立する必要はない…という思いから、やり方や方法論ではなく、自分たちが何を大事にしたいか、なぜこれをしたいのか、そもそもの話しをすることを大事にしています。そうした話し合いを談義と呼んで、談義の積み重ねの中から職員一人ひとりが園運営や保育の主体者として考え行動し始めている姿を語りました。

足立さん(神奈川)は、職員が辞めずに働き続けられる職場をめざして、選択正規職員制度や職場環境分析にとりくんでいることを報告しました。職員の定着の工夫とあわせて、管理職に対しては、職員の育成についてどう考えるのかを問いかけている、といいます。職員と一緒に考えつくる場や安心して働き続けられるための関係を管理職はどう意識してつくるのか、問題提起するとともに、試行錯誤しつつとりくんでいることが報告されました。

谷津さん(静岡)は、現役引退後の職員3名で子育て支援に役立つ活動をしたいという夢を実現させたとりくみを報告しました。地域の子どもと子育て家庭を支える活動を、保育者の専門性と現役時代に培った経験で生き生きと展開している姿は、参加者みんなを励ましました。保育者は現役引退後も地域で園で活躍できる!楽しくて面白くて若返りにも役に立つ!という谷津さんの言葉は、引退後の保育者の生き方を示して勇気と元気を会場に広げてくれました。

3つの報告を受けて、活発な質疑応答があり、それも含めて中西さんからコメントをいただきました。
今の社会の中で、子どもも大人も暮らしていくということをベースにしないと安心して自分を出せない、保育や子育てをする上で安心して自分を出せる場をどうつくるかということが大事な視点の一つになっているのではないか、そのためにどんなことが必要なのか。考え方や方法の違いをどう受けとめながらやっていくのかということを、みんなで考えてほしい、と投げかけられました。また、保育所は家庭の代わりではない、保育所という場所は社会の中で子どもと大人が一緒になって生きていくということを具体的に実現する場所ではないか、という指摘がありました。子育て支援とか地域で子育ての場所を作ることは、誰もが社会の一員として生きることを場所をつくる営みの一つではないか、保育はそういう役割を担っているのではないか、と。谷津さんの報告に加え、2日目の分科会提案の実践も紹介してお話しいただきました。

こうした保育の役割をふまえて実践していくうえで、法人としてどう運営するかが独自の課題として生じてきます。現場に役立つ仕組みをどうつくり支えるか、一つの園・法人ではできないことも集まって交流する中から学び支援し合える、そうした関係・場をつくることが重要で、ぜひ2日目の講座や分科会で交流し話してほしい、とまとめていただきました。

◆2日目は講座・分科会

2日目は午前4講座、午後は1つの講座と6つの分科会を並行して開催しました。講座1は、中山徹さん(奈良女子大学名誉教授)を講師に迎え、こども誰でも通園制度について深めました。すでに誰でも通園制度を実施している愛知の報告も受けて、実施してみての不安や疑問点、国の動き等を確認しました。

地域の保育要求が大きくなっている中で、誰でも通園制度の課題・問題点をおさえつつ市町村とよりよい制度にしていくよう要望することが求められています(誰でも通園制度については、午後の分科会2でも大阪から報告がありました。たんぽぽ保育園の実施状況等は、2月8日に開催される保育研究所の「研究集会」でも報告される予定です)。

その他の講座・分科会の内容等は、次号のニュースでお伝えします。

◆3日目は活動交流・記念講演

3日目は全体会で、活動交流として山形・兵庫・熊本からの報告を聞きました。最後に、記念講演として、吉田裕さん(一橋大学名誉教授、東京大空襲・戦災資料センター)にお話しいただきました。

熊本の報告では、保育園や学校、病院も多い市街地にある自衛隊基地にミサイルを配備する計画が示され、地元住民には説明もない中で、ミサイル配備反対の声をあげていることが報告され ました。ミサイル配備計画は、熊本以外にも全国で進められつつあり、他人ごとではありません。

記念講演は、一兵士、一市民の目線で戦争の実相に迫る報告で、こうした視点からの講演は初めて聞いた、という感想が多く寄せられました。アンケートには、「集中して聞いた。特にアジア・大平洋戦争の日本陸軍が徒歩で長距離を移動する軍隊だったという指摘は、父親が所属していた師団が、中国大陸の北(満州方面)からタイまで、15,000キロを歩いたことで、日本一歩いた師団と言われたいたという話を思い出した」「戦時中の兵士の衣食住や心と身体の問題など、本日の伺ったエピソードでより自分事に感じられた」等の感想が届いています。

セミナーの最後に、平和アピールを提案しました。アピール(案)に対して、文言の修正意見があり、修正した上で参加者のみなさんと採択となりました。