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2019.07.31
第22回総会、開催

6月23~24日、経営懇総会を行いました。総会とセットで学習会を開催し、福祉・保育をめぐる情勢をどうみるのか、深めました。

◆学習会①石倉康次さん(立命館大学)

 石倉さんからは、社会福祉の歩みを追いながら今の福祉をめぐる状況をお話しいただきました。「戦後の社会福祉を前進させてきたのは、保育をはじめ障害者の作業所作り運動や革新自治体運動など様々な運動の力。そうした運動に対抗すべく、1980年代以降抑制的な政策がすすめられ、その中で少子高齢化や貧困化が進み、全体として厳しい社会状況になっている。あらためて権利としての福祉の確立をめざす、という立場に立ち、各分野での運動や、選挙等の政治的なとりくみが必要となっている」

◆学習会②保育情勢・逆井直紀さん(保育研究所)

 保育をめぐる情勢では、「無償化」が当面大きな課題ですが、それだけに目を奪われていると大局を見失う可能性があります。「無償化」も含めて、公的保育制度を拡充させるのではない方向へ進んでいる、というのがこの間の政策の特徴です。これに対し、児童福祉法24条1項にもとづき公的保育制度を拡充させよう、という方向で運動をしていますが、具体的にどう実現させるのか、その戦略を持つことが求められています。

「1号認定、2号認定の格差は、子どものへの格差。すべての子どもに平等に質の高い保育を保障できるように、子どもの格差をなくせ、という主張を前面に掲げて、地域の保育園経営者や、職員・保護者を巻き込んだ社会的なうねりをつくっていく必要があるのではないか?そうした戦略を持つことが、経営懇会員園はもちろん、経営者アピールに賛同した園長さんたちや地域の関係者を勇気づける。希望を語りつながっていこう」

・原田秀一さん(経営懇副会長)
 原田さんは、私立保育所は児童福祉法24条1項に基づき市町村と委託関係にある、その立場から市町村に積極的に働きかけよう、と呼びかけました。

◆学習会③渡辺治さん(一橋大学名誉教授)

 憲法の生きる日本をどう実現するのか。今、その正念場にきている、と熱く語った渡辺さん。この間、安倍政権の改憲の動きを押しとどめてきたのは全国の運動があったから、と力説されました。今、安倍政権に代わる、これからの政治の構想を、市民と野党の共闘で作っていくとりくみが、進みつつあります。今回の選挙に向けても、市民連合と5野党・会派による共通政策が示されました。しかし、共通政策が出されてよかった、で済ませていてはいけないのであって、論議し深め、それぞれ地域の状況に応じてバージョンアップしていってこそ意味があるのだ、と強調されました。「“憲法の生きる日本”をつくっていくのは、市民一人ひとり。バトンを次に渡せるように、ともに行動しましょう!」