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2016.12.13
厚労省・内閣府懇談実施~現場の実態を歌え改善を要求

10月24日に、厚労省・内閣府との懇談を行ないました。厚労省・内閣府の担当者5名、経営懇役員19名での懇談となりました。

厚労省・内閣府の回答

1.職員給与の改善について

・2%相当の処遇改善を行なう。
・技能・経験を有する職員への4万円アップについては、2017(平成29)年度予算で実現できるように財務省と調整中。財源・内容は検討中。

*予算の範囲内で加算で対応するという姿勢でした。ひきつづき、公定価格の抜本的な改善を要求することが重要です。

2.配置基準引き上げについ

・3歳児は15対1に改善した。
・今後、1歳児・4歳児も改善したい。(来年度の予算要求はしていないが、方向としては1歳児5対1、4歳児24対1)

*今後、配置基準を改善したいという方向性はもっているものの来年度も要求していません。また、基準自体の改善ではなく加算対応という考え方です。

3.退職手当共済への公費助成について

・2017(平成29)年度までは継続。2018(平成30)年度以降は、今後検討
・介護・障害分野では株式会社とのイコールフッティングの観点から公費助成を廃止したが、保育はまだ株式会社の割合は低い。とはいえ、公費助成を2018(平成30)年度以降も継続するという結論が出ているわけではない、今後検討する。

*30年度以降は今後検討ではありますが、ぜひ継続させたい、という姿勢はみられませんでした。

4.規制緩和ではなく認可保育所の整備を

・整備費は今年度だけで1000億円弱、2017(平成29)年度概算要求564億円要求中
・保育士配置の要件緩和~資格者が原則、保育士確保に取り組みたい。朝夕の緩和~保育士不足が緩和されたら見直す、時限的・緊急的なもの。
・企業主導型保育事業~国費が入るので、国としても立ち入り調査を考えている

*保育士確保ができれば配置要件の緩和は見直す、との回答でしたが、保育士確保策自体が貧弱で、処遇改善も限定的な内容であることを考えると時限的・緊急的でも恒久化しかねないことは明らか。施設整備費を一定確保していることは評価できますが、保育士確保が難しい状況を抜本的に改善しない限り、保育所整備が進みにくいといえます。

 現場の実態を伝え改善を迫る!

 回答を受けて、質問もまじえながら現場の実態を数字・資料で示し懇談をすすめました。

◆処遇の改善
「公定価格に積算されている本俸基準額自体が低い、なぜ施設長が2級33号なのか?」との質問には、「保育所運営費の時代からの設定なので変えるのが難しい。処遇改善等加算を充実していく方向で改善したい」という回答でした。
しかし、その加算があまりにも低いことを指摘しました。職員たちが、今の園長の給与では夢ももてない、働き続ける意欲をもてるような処遇をとあらためて訴えました。

また、代替え職員・非常勤職員の給与として見積もられている額(5920円、調理は5320円)は 最低賃金より低いが、この点についてはどう考えるのか、とただしました。あわせて、管理費・事業費がずっと改善されていないこと、退職共済手当の掛金の出所もないので、自治体からの補助や募金等でまかなっていること等も、訴えました。最低賃金より低いことは事実ですから、内閣府としても認めざるを得ませんでした。「加算分での改善だけでなく基本分単価も改善できるように検討したい」との発言をひきだすことができました。

この他、開所時間・日数に見合う公定価格にしないと保育士不足も解消しない、子どもにも不平等を持ちこむものであること等、重ねて訴え、公定価格の抜本的な改善を要望しました。

◆配置基準の改善を
 開所時間と子どもの数に応じて、実際どのように職員配置をしているか、京都・くわの実保育園の実例を図表で示しました。最低基準では足りないために上乗せして配置しているため、職員給与の水準が下がってしまうという点から処遇改善問題にもつながる問題です。また、保育の仕事には直接保育にあたる以外にも、職員会議や打ち合わせ、保護者の対応、地域との連携、連絡帳・おたより、記録等々、多様な業務があることも、愛知・新瑞福祉会で作成した資料をもとに示しました。

◆退職手当共済制度への公費助成継続を~経営者アピール積み上げて訴え!
 当日は、全国から寄せられた経営者アピール約800名分を積み上げ、全国の民間保育園経営者から「保育士の待遇改善が不可欠」「公費助成はぜひ継続を」との切実な声が届いていることを紹介し、公費助成継続を訴えました。
 厚労省担当者は、「2017(平成29)年度までは公費助成継続、それ以降は今後検討」と回答しましたが、安心することはできません。「介護・障害分野にくらべて保育分野での株式会社の参入率が低い」といっても、だからといって公費助成を廃止しない、とは限りません。

 そもそも、企業とのイコールフッティングを基本に考えていることが問題です。株式会社立の保育園では人件費比率が50%を切るような実態があるが、と問いかけると、厚労省担当者も「想定外。公定価格には人件費を7割程度は見込んでいる。どこに消えているのか」と答えました。厚労省が想定外とするような運営をしている企業に合わせるのではなく、社会福祉事業のルールを徹底することが重要ではないでしょうか。 

 すでに公費助成を廃止された介護・障害分野の実態についても「職員の処遇がどんどん劣化している、夢のない仕事になりかけている。社会福祉全体のありようもふまえてこの間の施策も見直すべき」と訴えました。

◆引き続き要望し続けることが重要
 経営懇としては、今後、経営者アピールを中心にした要請・懇談を求めていく予定です。各地域・法人・園でも、園長会や地域でのつながりなど、いろいろな形で国や自治体に実態を伝え要望を届けていくことが重要です。

◆経営者アピールにご協力ください。
12月12日現在で、約1300名の賛同が集まりました(46都道府県・769法人・713施設より)。さらに賛同を広げるべく、12月末まで締め切りを延ばしています。すでに賛同された方は、近隣の法人・園に、広げて下さいますようお願いいたします。