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2021.02.18
どうする 保育士確保!? ~Home Page活用編~

  都市部の保育士の人材不足は、地方にどんどんと広がりを見せています。派遣を頼りたくなくて、採用試験をしても応募者がおらず仕方なく派遣に頼る。また人材紹介会社に頼りたくなくても、もうそれしか方法はなく高い紹介料を出して保育士を確保せざるを得ない。そんな状況が蔓延しつつあります。
 経営懇調査研究部では、人材確保のために何ができるか一例を紹介したいと思います。それはホームページ(以下HP)の充実です。これをやったらすぐに求人が来るとは限りませんが、やってみる価値はあると思います。(文責:経営懇調査研究部)

現状

まず、みなさんのHPでは、求人の要綱を貼るだけにはなっていませんか。
採用を望む人たちは、情報を求めています。
「どんな施設なのか」「どんな人たちが働いているのか」「仕事の内容はどうなのか」などです。
そんな時、HPをみると「要綱」だけ載っていて「知りたいこと」が載っていないことがあります。
採用を望んでいる人は知りたい情報がないと“不安”になり、他の施設のHPを覗いてしまい、そこに必要としている情報があれば、「採用試験や面談を考えてみようかな」とつながっていきます。
折角、自分のところのHPを見てくださったのに、そのチャンスを採用へつなげたいと思いませんか。

どうすればいいの? ポイントはここ!!

◆キーワードは「見てわかる、わかりやすさ」

求人の特設ページをつくる。「あなたのためのページですよ」感をかもしだす。
できるだけ写真や絵で、大切なことは言葉で簡潔にする。
視覚やイメージで訴える

働いてる人の表情がみえる写真が掲載されている。
自分もこんな風に楽しく働けるかなーと思わせる。

どんな施設か、わかりやすい写真があるほうが良い。
職場の雰囲気や全体像がつかめる。安心感をもってもらう。

勤務の状況(仕事の1日の流れ)がわかりやすい。
難しくなくこんな仕事をして利用者と楽しめるのかとここでも視覚で!

職種・雇用形態によって仕事内容は何をするか、わかりやすく。
私だったら何ができるだろう、私でもここなら働けるかもと思ってもらえるように。

「よくある質問」にも安心感がある。
「2~3年目の先輩がわからないことや仕事のやり方を教えてくれる」「結婚しても働いているか」など聞きにくいことを知ることができ、安心感が伝わる。

就労場所・職種・雇用形態などから検索ができ、ネットで応募ができる
今は、電話をかけて申込はハードルが高い。すぐにアクセスできることが大切。
その時は、条件が合わなくても関係を残しておくことで必要な時につながることができる。

◆上記のポイントをふまえて、みなさんも視覚やイメージアクセスのしやすさを感じましょう

ここまでポイントは、調査研究部が、大阪・社会福祉法人とんぼ福祉会を取材させていただいて学んだことです。
ホームページURLは下記の通りです。
http://www.tonbofukushikai.or.jp/ 
皆さんも一度アクセスしてみてください。
上記のことが文字より、視覚やイメージでわかりますよ。
見て感じてもらってHPの変更に役立ててください。ただし、注意点がひとつ。とんぼ福祉会に問合せ、質問はしないでくださいね

その代わりといっては何ですが、調査研究部がとんぼ福祉会に質問をしたので、下記のインタビューを参考にしてください。

とんぼ福祉会へのインタビュー


とんぼ福祉会の概要
・作業所2箇所・生活支援センター2箇所・放課後デイサービスなどの事業を実施
・利用者:353名・職員:164名

◆HPの刷新でどんな効果が?
・応募者は増えた。(週10件ほどの申込が有り、2~3割が面接。毎月5件くらい面接している状況)
・法人のHPから、求人は外部のページのとぶようになっている。
・バイトルと契約していて、応募者があると、各施設の幹部15人に同時にメールが入るようになっている。そのことで、各施設幹部に求人がどう動いているのかがわかり、「求人=育成・定着」という意識が高まった。 

◆どんな人を募集?
・障害者施設なので、非常勤の採用が多い。(正規職員は、非常勤から昇格する人が多い)
・どんな人材が必要なのか。(若い人・シニアが活躍などもヒットする)がはっきりするとヒットするらしい。
・「給与の日払いあり」にすると、ヒットすることが多いが、職種的に長く働いて欲しいので「日払い」はしていない。

◆ここまでの経緯は?
・人材確保には経費も苦労もしてきたので、随分勉強した。(マイナビの無料セミナーなど)一般の求人会社に来てもらって学習もした。
・求人に年間1,260万円の費用がかかっていたが、現在は700万円になった。600万円に下げていきたい。
・求人ページ作成に130万円。このサイトの運営費に毎月7万円の経費を払っている。(ディスポンスがよいので、選んでいる)

◆人材確保をどのように実現?
・公的求人で、経費をかけずに人材確保していきたい。が、現実はかなり厳しい。
・派遣会社に紹介料を払うのは、悔しい。

まとめ

 とんぼ福祉会は、障害者施設です。高齢施設でも同様に保育施設が人材不足になる以前から人材不足に直面していろいろな工夫をされています。保育分野の1法人1施設で運営されている施設で求人費用1260万円という額はだせません。しかし都心部では紹介料や派遣費用で200~300万円出している保育園もあります。まずはできるところから始めてみませんか。

 ただ、HPも凝ったものをするとプロの力を借りて何十万円もしますから、自分たちの身の丈に合った方法を交流しながら探りたいですね。