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2016.09.14
『社会福祉法人制度「改革」への対応実務のポイント』作成、ご活用ください!

はじめに  

 この数年の間に、社会福祉に関する二つの重要な法律が公布されました。すでに、子ども・子育て支援法は2015年4月1日に施行され、「改正」社会福祉法は2017年4月1日施行が予定されています。これにより、“福祉サービス提供のしくみ”とその“実施主体のあり方”が大きく変容し、福祉の市場化が現実のものとなってきました。公的責任を規定した児童福祉法24条1項という市場化にとってのアキレス腱をかかえたまま、国は社会福祉基礎構造改革の仕上げに向けた動きを加速させています。

 社会福祉法人制度「改革」は、社会福祉法人の役割を縮小化・限定化させます。すなわち、社会福祉法人と営利企業との共通の活動フィールドを最大限に広げ、そこでは“イコールフッティング”論を堂々とかかげて、営利企業が活躍できる「市場」を創成する。そのうえで、非課税という「優遇措置」に見合う活動を社会福祉法人に課そうというものです。地域における公益的な取り組みを実施する責務が社会福祉法人に押し付けられ、しかもそれは無料、または、低額な料金で実施しなければなりません。また、財務規律強化の名のもと、「社会福祉充実残額(いわゆる内部留保)」の福祉事業や公益事業への吐き出しも要求しています。社会福祉法人制度「改革」が、社会福祉基礎構造改革の仕上げのための十分条件として準備されてきたことに疑いの余地はありません。

 法律は「改正」されましたが、多くの付帯決議も付されました。それは、「改正」内容にそれだけの懸念材料があることを意味します。地域貢献や社会福祉充実残額の拠出など、社会福祉法人への不当な縛りの撤回を求める運動に力の結集が求められます。退職手当共済制度への補助打ち切りが保育所職員に及ばない根拠はなく、それを許さないとりくみも急を要します。

 保育所経営にかかわる私たちは、社会福祉法人の存立さえ危うくする社会福祉法人制度「改革」に対し、24条1項を守った時に匹敵する運動をつくりださなければなりません。同時に、法律の施行に向けたさまざまな実務にも、適切に対応する必要があります。

 国から十分な情報が提供されないなか、法施行が目前に迫っています。評議員選任・解任委員会の設置と評議員の選任、それらを規定した定款変更等、対応すべき実務は多岐にわたっています。また、具体的な実務対応について整理されたものがほしいとの声も多いことから、経営懇役員会は、法施行までにすべき実務に関する情報を会員の皆様に提供すべく、『社会福祉法人制度「改革」への対応実務のポイント』を作成しました。今後の実務に活かしていただけることを願っています。

全国民間保育園経営研究懇話会 役員会

こちらから>>>社会福祉法人「改革」への対応実務のポイント
(両面印刷・短編綴じの設定で印刷し、ご活用ください)