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2016.06.28
現場からの発信が求められている~経営懇として記者会見(6.27)

 6月27日に、厚生労働省記者クラブにて会見を行ない、13社が取材にきました。当日のニュースで放映されたほか、翌日の東京新聞・しんぶん赤旗に記事が掲載されました。

ニュース画面 石川

 

経営者として声をあげよう 

今回の会見は、保育園経営者の立場から『公定価格と配置基準の改善』を求めて声をあげよう、と準備しました。特に、参議院選挙にあわせて争点として取り上げてもらい、今後の政策作りに反映させたいという狙いを持って取り組みました。会見に先立ち、主要政党6党と厚生労働省、内閣府に要望書を届けました。

グラフ・表で実態を訴え

記者会見 最低賃金との比較

 会見では要望を裏付ける資料を示し現場の実態を伝えました。公定価格に見積もられている給与基準額が低すぎること、2000年時点から上がっていないばかりか所長・主任は下げられていることを、表で示しました。配置基準に関しても、最低基準通りの配置では、11時間・週6日の開所時間・日数をカバーできません。最低基準以上に職員を上乗せして配置しているため、ただでさえ安い賃金を職員みんなでシェアするのでさらに低賃金にならざるを得ない、ことを訴えました。群馬県の玉村町で3年目の園を経営してい園長は、「新園のため、子どもや保護者との関係づくりにも気をつかい朝から晩まで働いても給料が安い。給料が安い、という職員の声を聞くと胸が痛むが、自治体の補助がほとんどなく職員の給料を上げたくても上げられない。」と苦しい状況を語りました。

記者会見 職員配置

 

 

 

 

 

 

退職金共済制度の補助廃止は大問題~大阪から緊急アピール発表

 また、社会福祉法人「改革」により、4月から退職金共済制度の公費補助が障害分野で廃止されました。そのため、障害分野の施設等では大混乱に陥っています。保育分野でも、公費補助の廃止が今後検討される予定です。しかし、保育士不足で全国どこでも苦労している状況の中で退職金共済制度への補助が廃止されれば、保育士確保はさらに難しくなります。この問題について、社会福祉施設経営者同友会保育部会(大阪)が緊急アピールをだし、福祉医療機構に申し入れを行ったことも、大阪の会員が発表しました。

問題の背景が理解されにくいーわかりやすく伝える工夫を

 保護者や保育士が声をあげ始めたことで、保育所不足・保育士不足は社会的な問題としてとらえられるようになってきましたが、なぜそうした状況になるのか、については、なかなか理解されていません。例えば、今回の会見でも、「余分に保育士を配置するなら施設が補填すればいいのではないか?」といった質問が出されました。保育所の運営に必要な費用は、保育料と国・自治体が負担する公費をあわせた委託費が基本であり、それ以外の資金を法人や園がもっているわけではない、ということが理解されていません。当たり前といえば当たり前ですが、保育所の制度や公定価格・委託費の仕組みなど、知らない人にもわかるように伝えることが必要です。

声をあげ改善をかちとろう

記者会見

 

 「保育園落ちた…」の声から保育が社会的な問題としてとりあげられ、参議院選挙でも争点の一つとして注目されています。今こそ、当事者である私たちが積極的に発信し国や自治体にはたらきかけ、保育条件の改善をかちとっていきましょう。
 経営懇としては、今回の要望をもとに、夏以降、あらためて厚労省・内閣府への要請を行なう予定です。